老人保健施設は、高齢者が在宅復帰を目指す施設です。療養が必要な高齢者が、在宅ケアを実現するまでの橋渡しが主な役割です。施設内では、医師や看護師をはじめとする医療スタッフが介護職と共に働きます。施設内でのケアは、昼夜問うことなく実践されていきます。深夜帯に起きる体調変化に対応するためです。

施設内の居室空間には、数人で一部屋を共同利用する従来型多床室と、一部屋を個人で使用する従来型個室が存在しています。入居にあたっては、別途事前審査が必要です。年齢が65歳以上であり、要介護1以上の高齢者であることが求められています。長きに亘って入院生活を強いられた高齢者の方だと、即座に在宅復帰を成し遂げられないことも珍しくありません。退院後に老人保健施設で過ごすことにより、自然な形での在宅復帰を目指していくのです。

老人保健施設で働く介護職には、未経験で働き始めた方も少なくありません。施設での就労には、特別な資格が設けられていない部分があるからです。介護職員初任者研修の資格を保持していなかったり、介護職で働いた経験が無かったりする方であっても、介護職に携わりたいという意欲があれば、就業することは可能です。仕事内容は、食事や清掃などの生活面のケアと在宅復帰を実現するためのリハビリテーションの実施が主となります。高齢者の容態に変化が生じた際には、医師や看護師との連携を取った対応も求められます。広範な業務が必要ですが、高齢者を在宅復帰に導くやりがいのある仕事です。